花想歌
やがて僕らが土に還る頃に振り返ったら
山や川や空はあの頃のように話しかけてくれるだろうか…?
長い髪で濡れたまんまで 見ていた夜空が
あんなにも近くに見えた あの頃に帰りたい
どこからか聞こえたのは 鈴虫の声と浴衣姿のあなたは まるで草の匂いさ
海の音を星が出るまで聞いてただろう
あなたが流した涙はまるで流れ星
忘れようとしても忘れられない輝いてた笑顔
まぶたの向こう側に今もいつも残っているんだ
いつしか僕らは失くした昨日を取り戻せるのかな
大切なものを大切に見ずに大切にできずに
さびしさを感じるうちはまだ華がある
さびしさにすら気づけなくなった近頃です
あの頃、じじと手をつないで眠った早起きの日
くわがたを見つけるんだっていって眠れなかったんだ
忘れてたよそんなささいことが大きなしあわせで
忘れていたよそんななんでもないことが宝物だったんだ
いつしか僕らは失くした昨日を取り戻せるのかな
大切なものを大切に見ずに大切にできずに
悲しみを感じるうちはまだ夢がある
悲しみにすら気づけなくなった近頃です
やがて僕が土に還る頃に振り返ったら
山や川や空やあの頃のように笑ってくれるだろうか?
僕らが人生をかけて追いかけたものもやがて 空の彼方に消えて